その店のドアーをあけると、きれいにセットされたテーブルの上には大きなお皿に山盛りのお赤飯が目にはいった。私の大好物だ。娘たちがそれぞれ独立してから、家でお赤飯を作らなくなった。理由はいくつかあるが、私が年を重ねてめんどうくさくなったのが、第一の理由だと思う。固めにふかしたお赤飯はおいしい。私は「ささげ」に塩味をつけるが、そんな時代も去ったのかもしれない。
「カラオケを楽しむ会」の会員たちも開会の時間には、ほとんど席につき料理に手をのばしながら真夏のビールに歓声をあげる。
静かに流れていた音楽のボリュームがあがる。だれか二人で歌いだす。次々と歌い手も、歌も移っていくが皆とても上手だ。歌うことに慣れているらしい。羨ましいとおもう。
私は父親に似て音痴だし、酒もつよくない。すぐに眠くなってしまうから自分で量はきめている。ビールはグラス二杯と。
私の知っている歌も、知らない歌もどんどん通り過ぎていく。その歌詞のなかに過ぎ去った昔の自分をのぞいたような気がした。
楽しくあっという間に過ぎていった五時間。いつものように輪になって「星影のワルツ」を歌う。何回うたってもこの歌はすきだ。
今度「星影のワルツ」を皆でうたうのはいつだろうか?そのときは何があっても出席させてもらおうと、今日の思い出を黙って胸にしまいこむ。
「楽しさも、料理も、お酒も、時間も歌も、充分にありました」
幹事さん ありがとうございました。
心からお礼をもうしあげます。
時:8月3日(月)於:アンチエール